【高校化学】同素体・融点と溶解度の推測方法・H2OがHFより沸点が高い理由を簡単に解説!高校化学選択をしている受験生や高校生は必見!

高校化学の解説(同素体の密度・融点と溶解度の推測方法・H2OがHFより沸点が高い理由)

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化学科を卒業して予備校講師(模擬試験作成)をしていた予備校講師の休日です。化学を放置すると忘れていくので、備忘録代わりに受験生にも役立つ高校化学の情報をまとめておこうと思い、この記事を作成しました!できれば、勉強法のTwitter(こっちがメイン)もフォローしてもらえると嬉しい^^勉強関連やTOEIC関連でこうやったら勉強できるなど気づいたことをどんどんツイートしていますので!化学関連の解説記事一覧はコチラから。

同素体

Twitterの原文ママ

ダイヤモンドと黒鉛のC-C結合間距離ってほぼ同じなのにどうして黒鉛は柔らかくてダイヤモンドは硬いんでしょうか?それは黒鉛の構造がC-C結合の層が何層もファンデルワールス力で重なっていて層間距離が大きい(空間だらけ)からなのです。https://bit.ly/2Jaxjzh

黒鉛は柔らかい

解説コメント

黒鉛とダイヤモンドって同じ炭素からできているんだよね?どうして同じものからできているのに違うものができるわけ?

おぉ!今日はその話がトピックなんだよ。有田ちゃんはタイミングいいね!

いや、セリフで決まってるだけで、私がしゃべっ…

それは、言ってはいけないよ^^今日は同素体の話をしていこう。

先生、怖い。

今日は同素体の話をしていこう。実は…私もセリフが決まってい…うっ!!!

なんていうか、茶番ですね。

同素体って何なん?
シャー芯と同じ炭素からできているとは思えない。同じものからできているのに全然違うものができるのが化学の醍醐味であると私は思うのだ。

例えばさ。イメージの話なんやけど、卵だけを使って料理するとするやん。混ぜたらスクランブルエッグやわな。茹でたらゆで卵になるわな。卵焼きもできるかもしれん。そんな感じで、同じものを使っても違うものができるわけ。

同じ炭素原子っていう部品なんだけど、結合の仕方が異なると、黒くてポキっと折れるシャー芯(黒鉛)ができたり、硬くて透明なダイヤモンドができたりする。そういう感じ。この黒鉛とダイヤモンドが互いに同素体っていう関係なんよ。

黒鉛の同素体は?って聞かれたら、ダイヤモンド。って答える感じ。逆も然り。

同素体…同じ元素からできていて、違う性質をもつ物質のこと。

です。C60のフラーレンも黒鉛やダイヤモンドの同素体だね。同素体で覚えておかないといけないのは、『S・C・O・P(スコップ)』の 4 種類。

Sは硫黄。単斜硫黄、方斜硫黄、ゴム状硫黄の3種類が互いに同素体の関係。

Oは酸素。酸素O2とオゾンO3が互いに同素体の関係。

Pはリン。赤リンと黄リンが互いに同素体の関係。

マッチ箱の擦るところは赤リンでできている。タバコはあんまり吸ったことないなあ。人生で 5 本か 7 本くらい。

オゾンはオゾン層のオゾンね。有毒です。酸素に無声放電って言って、音の出ない放電をすると、オゾンができるよ。試してみて!

あ、オゾンできました!

あと、黄リンは有毒だからね。マジで。致死量も50 mg くらい。今は製造すら禁止になってるレベルなんだけど、昔は燃えるから、マッチの箱の擦るところに使われていたよ。

有毒だから使われなくなったんですか?

まあ、それもあるんだけど、発火点が低いんだよ。すぐに火がつく。だから夏場にマッチをポケットに入れておくと発火して火だるまになるということが昔よくあったんだわ。それで、危険だということで、今は赤リンが使われているよ。

なるほど!常温で発火しちゃうから、黄リンは水中保存なんですね!

同素体の特徴の違い

ダイヤモンドのC-C結合間距離も、ダイヤモンドの同素体である黒鉛のC-C結合間距離もほとんど変わらないんですよ。だから、一見どっちも同じくらい硬くて同じくらい密度がありそうに思うじゃないですか。

でも実際は黒鉛の方が軽いし、柔らかい。それは、黒鉛の層同士がファンデルワールス力っていう弱い力でひっついていて空間の多い構造をとっているからなんですね!黒鉛がなぜ電気を通すのかについての記事はコチラ

同位体って何なん?

おまけですが、よく似た単語で同位体というものがあります。これは、同じ元素で中性子数が違うだけの単体のことを指します。具体的には、12Cと13Cみたいな感じ。ほとんど性質は同じです。めちゃくちゃよく似た双子って感じですね。同素体は先ほど説明した通り、全然異なる性質をもつもの同士なので。

クーロンの法則で融点や溶解度がわかる

Twitterの原文ママ

NaFとNaIってどっちが融点高くてどっちがよく水に溶けるかわかりますか?「覚えてますか?」ではありません。クーロンの法則から考えると実は推測がつきます。詳細はURLへ。ちなみにNaFの方が融点が高く、水には溶けにくいです。わかるかな?https://bit.ly/2Jaxjzh

クーロン力で溶解度がわかる

解説コメント

どの物質が水によく溶けて、どの物質があまり水に溶けないみたいなのって法則とかないの!?

わかる!覚えてられへん!多すぎやで…。

基本的には『覚える』っていうことにはなるんやけど、ちゃんと理屈付けて覚えれば大丈夫。今回は1つの指標となる『クーロンの法則』を用いて考えてみよう。水に溶けるかどうか推測することができるかもしれないよ。

クーロンの法則で水に溶けるかがわかる!

クーロンの法則とは、F = k(q1×q2)/r2 の式で表される。

(F:クーロン力(粒子同士が互いに引き合う力)、k:定数、q1:粒子の電荷の絶対値(価数の絶対値)、q2:粒子の電荷の絶対値(価数の絶対値)、r:粒子間の距離)

ということで、例えば、NaClで言えば、Na+とClが結合してNaClが形成されているよね。Na+のもつ電荷は+1で、Clのもつ電荷は−1となる。ということで、q1=1でq2=1となるわけだ。q1×q2=1となる。

一方で、CaSはどうだろうか?q1=2、q2=2となる。したがって、q1×q2=4となる。

粒子間の距離を考えない場合、CaSはNaClに比べて4倍も強い結合で結びついていると言えるのだね。

この粉が水に溶けるかどうかはわからない。でも価数を調べればわかるかもしれない。(この粉はただの小麦粉です笑)

強いクーロン力で結びついている化合物は水に溶けて電離するだろうか?

否!

そうだね。4倍も強い結合で結びついているんだから、CaSがわざわざ結合が切れてCa2+とS2−になるなんてことはないということだ。実際、NaClは水に溶けて食塩水(塩化ナトリウム水溶液)になるけど、CaSは水にほぼ溶けない。(溶解度0.02程度。)

クーロンの法則に価数を当てはめるだけで水に溶けるかどうか調べられるんだね!!!すご〜い!

あくまで1つの指標っていうだけだからね!あと、CaF2みたいに電離すると、Ca2+とFとFになる場合は、普通にq1=2、q2=1で計算してくれればOKだよ。

クーロンの法則を用いて融点と溶解度を推測してみよう!

NaFとNaIを比較していきましょう!FとIについて。どっちが陰イオン半径が小さいでしょうか?もちろん、Fですよね!

最外殻が何殻かを考えればすぐわかるはず。

ということは、

クーロン力はNa-F間の結合とNa-I間の結合どっちが強く働くかな?

クーロンの法則より、Na-F間のイオン間距離の方が近いのだから、クーロン力はNaFの方が働くはず。(rの値が小さいということ。)

近くにいないと心も離れて結合力は弱まるというわけだ。

つまり、NaFはより強固なクーロン力で結合していると考えられる。結果、この強固なクーロン力を切断するのに相当な熱量をかけないといけないので融点は高くなるわけだ。

溶解も同じで、Na-Fの強固な結合を切って溶解しないといけない。つまり、溶解しにくいということになる。

クーロンの法則を用いれば、溶解度や融点を予測することができるというわけ。

例えば、リン酸塩についての話をすると、Ca2+とH2PO4が結びついた塩と、HPO42-が結びついた塩と、PO43-が結びついた塩を考える。どれか1つの塩が水に溶解するとする。どれでしょう??

答えは、Ca(H2PO4)2だけ水に溶ける。

なぜかというと、クーロンの法則におけるCa(H2PO4)2において、q1=2 q2=1と言える。よって、q1×q2=2となる。他のリン酸塩を考えると、q1×q2=4または6となる。つまり、クーロンの法則の公式における『分子』の部分(つまり、q1×q2)が大きくなるわけだ。結果、クーロン力が強くなり、水に溶けにくくなるという話。

ちなみに、Ca(H2PO4)2は過リン酸石灰といって、肥料に使われる物質。そりゃあ水に溶けてくれないと困るわなという話でもある。

肥料になるということは水溶性じゃないと困るわけで。過リン酸石灰は水溶性なわけ。

H2Oの沸点がHFより高い理由

Twitterの原文ママ

H2OとHFの沸点はそれぞれ100℃と19℃。Fの方がOよりも電気陰性度が大きいにも関わらず、沸点はH2Oの方が高い。これって不思議だよね?理由は、H2Oの方が1分子あたりの水素結合の数が多いからなのよ。水は1分子につき4つ他の水分子と水素結合しまする。https://bit.ly/2Jaxjzh

水の沸点は高いのです

解説コメント

あの…!基礎的すぎる質問なんですけど…いいですか?

別に前置きしなくても大丈夫だよ!何でも質問してくれな。

昨日、布団の中で寝ながら考えていたんですけど、Fの方がOより電気陰性度って大きいじゃないですか。なのにHFとH2Oを比べたらH2Oの方が断然沸点って高くないですか?HFの沸点って19.5 ℃だそうです。

確かにね。フッ化水素の方が大きく分極しているからHFの水素結合の方がH2Oの水素結合より強いだろうね^^
鋭い指摘だよ!

確かに。なのに、水は100 ℃にならないと沸騰しない。不思議かもかも。

沸点がH2O>HFの理由

水素結合の数はH2Oの場合、1分子のH2Oあたり4つ。HFの場合は、1分子のHFあたり2つなのね。

ということで1分子あたりの水素結合の数が水の方が多いわけだ。それが理由。弱い水素結合×4の方が、強い水素結合×2より切断するのに多くの熱量がかかるというわけ。

水が水蒸気になるときや、HFの液体がHFの気体になるときはほとんどの水素結合は完全に切れているといっていい状態になっている。

分子が飛び回ってる状態だからね。

H2Oの分子量が18にも関わらず、沸点が100 ℃(1気圧条件下)という高温を示すのは、もちろん水素結合が理由。同じくらいの分子量の分子であるメタンなんて常温では気体でしょ?液化メタンなんか日常で見ないもんね。

水は本当になかなか沸騰しない。100 ℃にまで加熱しないなんて異常である。この異常さは水素結合のせいなのだ。
水素結合って何なん?

F , O , Nなどの電気陰性度の大きい元素をもつ化合物は分極している分子になっている。例えば、H-Fであれば、Hはδ、Fはδに分極している。同様に、H2OやNH3も分極している。(NH3であればNがδでHがδね。)

分極しているので、H-Fであればδの電荷を帯びたFが、他のHF分子のδの電荷を帯びたHと静電気的に結合するのね。これが水素結合。水素結合の強さは、『まあまあ強い結合』です。共有結合みたいにガチガチで結合しているわけじゃないけど、ファンデルワールス力ほどふわっとした結合でもない。それが、水素結合!

なんでHClは水素結合せーへんねん!?

電気陰性度を調べると、ClとNは同じ値でした。電気陰性度ってClもそこそこ強いんじゃないですか!!?にも関わらず、HClは水素結合をしない。ふざんけんな!

Calm down! Okay, I will explain why HCl doesn’t…あっ間違えた!英語で説明しかけちゃったね。

Do you speak English?

Yes, sure. It’s 21st century, right? We’re living in a global society.

تحدث مع اليابانيين

هل تتحدث العربية؟ とにかく、説明していこう(汗)

Cl原子ってのは確かに電気陰性度は大きいんよ。ただね。ただし、電気陰性度は大きいんだけど、原子自体がフッ素などに比べるとかなり大きい。

ということは、フッ素などと同じようにδの電荷を分極したとしても、Cl原子全体にδの電荷を帯びた状態になる。つまり、Cl原子がもつδは大きく薄く粒子全体でδの電荷を帯びることになる。結果的に他のδを引きつけるほど濃い『−』の電荷ではないので、水素結合はできないということになる。ちょっと発展的な内容なので無視してくれても良い。とにかく、水素結合する分子ってのは、HFとNH3とH2Oこの辺りだ。

アルカリ金属の融点と反応性

Twitterの原文ママ

LiとKはどちらが融点が高い?答えは、Liの方が融点は高い。だって、どっちもアルカリ金属で1つの価電子を使って金属結合してるわけじゃん。てことは価電子の数はLiもKも同じじゃん。Li原子の方が小さいじゃん。Liの方がいっぱい接着剤(電子)使われてるってことになるじゃん。https://bit.ly/2Jaxjzh

アルカリ金属の反応性

解説コメント

化合物の融点は推測できるって話はわかったんだけど、単体の融点とかは推測したりはできないの?例えば、LiとKはどっちの方が融点が高いんだろう?とかさ。

確かにね。金属の融点とかも推測できるのかな?

例えば、有田ちゃんが言ったLiとKはどっちの方が融点が高いかは推測できるよ。何度が融点かは覚えていないけど、おそらくLiの方が融点は高いはずだ。

きょえええええええええええええええええ!!!合ってる。

何でわかったんですか?先生もしかして細木○子ですか?

先生は、細木○子じゃないよ。

アルカリ金属の融点を推測してみよう!

LiとKってどっちも同じ1族のアルカリ金属でしょ?

つまり、LiとKは周期が違うだけの同族の金属。

もちろん第 3 周期のKの方が、第 2 周期のLiに比べて原子半径が大きいに決まってるよね。そして、LiもKも 1 原子あたりの価電子の数はどちらも 1 個だね。(アルカリ金属だからね。)

ということは、金属結合のために使われる自由電子(接着剤)の量は、K原子100粒に対し、100粒の自由電子(接着剤)が使われていることになる。

一方、L原子100粒に対しても同様、100粒の自由電子(接着剤)が使われていることになるわけ。

例えば、10 g の木工用ボンドを使って、大きな家具を作るのと、小物入れを作るのを比較したら、絶対小物入れの方がよりたくさんのボンドを使って工作できる。つまり、より接着した木工作品をつくることができるわけ。

大きい工作をしようとすると、ボンドがたくさん必要になる。小さい工作であれば、ボンドは少しで良い。

同じ量の接着剤(自由電子)なら、小さいLi原子同士の結合に使う方が強固に結合させることができる。つまり、Li金属の方がK金属よりもよっぽど金属結合は強いということがわかるんだな。

したがって、Liの方が融点は高くなる。

アルカリ金属の反応性を比較してみよう!

LiとKの各々の原子核と最外殻電子との距離間はLi原子の方が近く、K原子の方が遠い。ということは自由電子をほっぽり出すために必要なエネルギーはLiの方が大きくなる。(原子核には陽子がいっぱいつまっているから。原子核に近い電子を外にほっぽり出す方が+と−が引き合うクーロン力のせいでより大きいエネルギーが必要。)

よって、Liの方がKより反応性は悪いといえる。Liを水に突っ込んでもちょっと危ないくらいだけど、KやNaを水に突っ込むと火柱が立つ。教授に激怒されるどころでは済まないのである。

流石にここまではならないだろうけどね笑

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ABOUTこの記事をかいた人

ニシジマ

ゆとり世代ど真ん中に爆誕。円周率は3だと信じて疑わない。大学卒業後,予備校で勤務しており,化学を担当。主な業務は,模擬試験作成と入試解説の執筆。大学時代の専攻は物理化学であるが,難解すぎて意味があまりわからない。