【理論化学】平衡が移動するとは・溶解と水和・溶解度積を簡単に解説!高校化学選択をしている受験生や高校生は必見!

理論化学の解説(平衡が移動するとは・溶解と水和・溶解度積とは)

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化学科を卒業して予備校講師(模擬試験作成)をしていた予備校講師の休日です。化学を放置すると忘れていくので、備忘録代わりに受験生にも役立つ高校化学の情報をまとめておこうと思い、この記事を作成しました!できれば、勉強法のTwitter(こっちがメイン)もフォローしてもらえると嬉しい^^勉強関連やTOEIC関連でこうやったら勉強できるなど気づいたことをどんどんツイートしていますので!化学関連の解説記事一覧・目次はコチラから。

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平衡が移動するとは?

Twitterの原文ママ

ルシャトリエの原理。濃度変化による平衡の移動のしくみですが、元々K=44.8で平衡状態をとるH2+I2⇄2HIにおいて、H2を加えると、K=46.2になり、分母の値が小さくなり、分子の値が大きくなります。これを平衡が右に移動するというわけですな。

解説コメント

系の温度を上昇させるという反応条件の変化を用いて、ルシャトリエの法則が成り立つかどうか考えてみよう。

N2O4=2NO2−57 kJ ……①

この反応式において、N2O4とNO2が平衡状態であったとする。

さて、温度上昇させて条件変化させると何が起きるだろうか?

正反応の反応速度v1=k1=A1×e^(-E1/RT)

逆反応の反応速度v2=k2=A2×e^(-E2/RT)

平衡状態において、v1=v2であり、平衡定数Kは次のように表される。

K=k1/k2=A1×e^(-E1/RT)/A2×e^(-E2/RT)

⇔K=A×e^(E2-E1)/RT=A×e^Q/RT

式①より、Q<0ですわな。T↑させると、e^Q/RTは大の方向に進む。

だって、Qは負の数なんだから、Tが大きくなると、eの肩(乗数)が0に近づくもんな。T=300からT=800とかにしたらどうなるか考えてみたらOK!!!

ということで、結果、Kは大の方向に進む。つまり、温度上昇させる前の平衡定数Kと温度上昇させた後の平衡定数K’を比較すると、後の平衡定数K'(新平衡)の方が大きくなってるという話。

こういう風に条件変化をさせることにより、ルシャトリエの原理から、平衡が移動することがわかる。

平衡が移動するというのは、条件変化させることによって平衡定数が変化することを表す。条件変化を起こすと、K≠K’になる。

例えば、1Lの容器にH2とI2が0.23 molずつ、HIが1.54 mol存在する状態で平衡状態を取っているとする。現在の平衡定数K=44.8。

そこに、H2を1mol加える。(完全密閉容器で体積変化はなし。つまりピストン付き容器ではない。)

すると、平衡状態は崩れ始める。具体的にはルシャトリエの原理で、正反応の速度が速まる。その後、放置すると、落ち着いて新たなv1’=v2’という状態になる。

この時、H2は1.07 mol,I2は0.07 mol, HIは1.86 molとなる。もちろんこの時も1L容器ね。この新平衡状態において、K’=46.2となる。

つまり、平衡定数K’>Kという状態。H2を封入することで平衡定数が大きくなった。(これを「平衡が右に移動する」というわけ。) 

(東京書籍よりH2とI2とHIの物質量のデータを引用しました。)

溶解と水和

Twitterの原文ママ

イオン結晶の溶解ってめちゃくちゃ不思議じゃない?だって、あんな強固なイオン結合が勝手に切断されてバラバラのA+とB-になるんやで。しかもイオン結晶によっては発熱反応すらする。ヒントは水和。

解説コメント

溶解:溶液中に物質が均一に拡散する現象のこと。

イオン結晶って強固なイオン結合で結びついてますよね。例えば、NaOHはNaとOHがイオン結合で結合している。これはめちゃくちゃ強い結合ですよね。

でも、水に入れた途端にいとも簡単に結合が切れて、Na+とOH-になる。

えぇ!!?って感じじゃない?あんなに強く結ばれていた2人が水に入った途端にさいならですか。。。

おまけに発熱反応なんですね。NaOH+aq→NaOHaqの反応って。溶解熱は44.52 kJ/mol。でかい。NaOHをフラスコ内の水に突っ込んだら、フラスコが熱くなってくるよ。溶かすNaOHの量や水の量やフラスコの大きさなどの状況によるけど、ビーカー内の水溶液の温度は10℃近くは上がるんじゃないかな。

では、どうしてイオン結晶は水に溶けるのか?

これは、『水和による安定性』が関わってきます。水溶液中のNa+とOH-はNa+単独で、OH-単独でいるわけではありません。

Na+と水分子のOに間でクーロン力で引き合っています。

OH-と水分子のHの間でクーロン力で引き合っています。

Na+やOH-は単独で水溶液中に存在しているのではなく、周りが水によって囲まれている状態を形成します。これを水和といって、このクーロン力で引き合っている状態によって安定化を図っているんですね。水和による安定性で、

NaOHで結合し合っているよりも、Na+とOH-に分かれつつ、周りに水分子によって取り囲まれてる状態の方が気持ちいいわけです。平たく言えば。だから発熱反応になります。もちろん溶解熱が吸熱になる物質もいます。これは単に水和するよりも結合している状態の方が安定だから。という話ですね。例えば、NaClなんかがそうですね。NaClの水への溶解反応は吸熱反応なので。

余談ですが、水和に使われる水(つまり、溶解に使われる水)でない、何にも束縛されていない自由な水分子のことを自由水といいます。

自由水は溶質が入ってくると、束縛されて動けなくなります。(溶質を溶かすために水和させるために動かなくなる。)

ということは、、、

真水と食塩水があったとき、どちらの方がショ糖がいっぱい溶けるでしょうか?

食塩水はNa+とCl-を溶かすのに(水和のために)H2Oが使われて自由水が減少しています。

一方で真水には水和に使われて動けなくなっている水分子はいません。なので、真水の方がまだまだ水和に使える水分子は多く存在します。

ということで、ショ糖を溶かす時、真水の方が食塩水よりもよく溶けます。

溶解度積と固体の濃度

Twitterの原文ママ

固体の濃度は一定ってどういう意味かわかりますか?固体の濃度というのは固体の密度と言い換えられる(厳密ではない)。ある固体1cm^3あたりにふくまれるその固体の物質量ってどんなに圧力をかけても一定ですよね。固体は縮こまらないから。だから一定。

解説コメント

物質の溶解度を語るときに大前提としては、

溶解度:溶媒100 gに溶ける溶質の最大量

というものを使います。がしかし、この『溶解度』というのはある程度水に溶ける物質(NaClやKNO3など)に使われる言葉で、ほとんど溶けない物質に対して『溶解度』はあまり使われません。代わりに使われるのが、溶解度積。

さて、溶解度積の説明いきましょか。

AgCl(固)⇄Ag++Cl-において、v1=v2となっているとき。つまり、平衡状態となっている時

v1=k1[AgCl(固)]

v2=k2[Ag+][Cl-]

で、k1[AgCl(固)]= k2[Ag+][Cl-]

となります。平衡定数K=k1/k2=[Ag+][Cl-]/[AgCl(固)]

となりますね。ここで、一つ考えて欲しい。固体の濃度とはなんぞや?という話。

固体の濃度とは1cm^3のある固体中に存在するその固体の物質量の割合。

つまり、AgCl 1cm^3中に存在するAgClの物質量のこと。

AgClの固体って密度はいつでも5.56 g/cm^3なのね。こんなん上から圧力かけようが何をしようが変わる値じゃないでしょ笑 気体なら圧力かけたら縮こまるけど、固体の塊に圧力をかけても縮こまらないでしょ?そういう話。

で、AgClの式量は143.5だから1cm^3あたり、5.56/143.5 molのAgClが存在する。つまり、1〔L〕あたり、38.7 molのAgClが存在する。AgClというのはどういう状況下であっても38.7 mol/Lであることは変わらないという話なんですわ。

ということは、先ほどのこの式

平衡定数K=k1/k2=[Ag+][Cl-]/[AgCl(固)]

に戻ると、実は、[AgCl(固)]も定数だということに気づく。

左辺に移動しちゃおうか。定数は定数で固めてしまう。

k1/k2×[AgCl(固)]=[Ag+][Cl-]

こういうこと。この左辺を溶解度積Kspっていうわけ。

長いね。で、Kspの何が嬉しいねん。って話なんやけど、

平衡時の話を今までしてきたので、

平衡時には、Ksp=[Ag+][Cl-]となることはわかるわな。

平衡時じゃない時は、Ksp≠[Ag+][Cl-]となる。

具体的には、Ksp<[Ag+][Cl-]ならば、そんなに溶けへんわ!(沈殿の析出)

Ksp>[Ag+][Cl-]ならば、まだまだ溶けられる。(全部溶解している)

ということを示す。いつ沈殿するかを示す指標と考えてもらえればよい。飽和蒸気圧の話と似ているな。

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ABOUTこの記事をかいた人

ニシジマ

ゆとり世代ど真ん中に爆誕。円周率は3だと信じて疑わない。大学卒業後,予備校で勤務しており,化学を担当。主な業務は,模擬試験作成と入試解説の執筆。大学時代の専攻は物理化学であるが,難解すぎて意味があまりわからない。