化学結合の『方向性』とは何か。イオン結合は方向性がなく,共有結合は方向性があるとはどういうことかを解説

方向性の『ある』結合・『ない』結合

方向性とは?

『方向性がある』というのは,簡単に言えば,結合角が決まっていて,結合する前からもし結合するとしたらこの方向で結合し合う結合の仕方。

『方向性がない』というのは,結合角が決まっておらず,とにかく周囲にある物質を引き付けて結合しようとする結合の仕方。

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方向性のある結合

  • 共有結合
  • 水素結合

方向性のない結合

  • イオン結合
  • 金属結合
  • ファンデルワールス力

方向性のない結合

金属結合

金属結合は自由電子によって結合しているので,極力自由電子の道筋を多くしたい。例えばNa原子で説明すると,Na原子の価電子は,

「ああ自由に動き回りたい。」と思ってる。

これこそが金属結合をする理由なんだが,極力自由電子はたくさんの道筋を通って結合したいと思うわけ。

だから,極力密集して,たくさん道筋ができる状態を作ろうとする。それゆえ,金属の結合は『最密構造』をとることが多い。

例外はアルカリ金属であるが,今回の話とは関係ないので解説は省く。Na金属の気持ちはこんな感じ。

とにかく周囲から何でもいいから結合を作りまくろうとする感じが『方向性がない』ということになる。

イオン結合

これも同様に『方向性のない』結合である。

方向性のない結合とは,予めどういう方向で結合しよう!と考えているわけではなく,とにかく集まろう,周囲で結合できるやつを引き寄せようとする感じの結合。

イオン結合の代表例であるNaClにおいて,Na金属はこんな感じで結合する。

とにかく周りからNa+の『+』の電荷と引き合うべく,『-』の電荷を引っ張ってくる。(いわゆるクーロン力)

周囲から方向なんて関係なく,とにかく『+』と『-』が引き合う感じ。これが『方向性のない』結合。

ファンデルワールス力

ファンデルワールス力も同様に,『方向性のない結合』である。

ファンデルワールス力の細かい説明はリンクに飛んでもらえればよいが,とにもかくにも,よわーい力で

「周りでファンデルワールス力やってる奴集まろうぜ!」

って感じで集まってくる。とにかく何でもいいから集まろうって感じ。これこそが『方向性のない結合』なのである。

方向性のある結合

方向性のある結合の代表例は,水素結合や共有結合。

水素結合

水素結合は,『方向性のある結合』である。

具体的に言うと,そもそもで,水素結合は『まっすぐ』結合すると一番水素結合が強力になるわけ。

なので,例えば水が5分子で水素結合を作って,氷の結晶を作るときは,必ず結合角が決まっている。

方向性のない結合のように,「とりあえず集まろうぜ~!」

ではないということである。「とりあえず集まろうぜ~!」ではなく,この角度で水素結合をすると一番強力に水素結合を形成できる!という角度で決まった方向で水素結合を形成するのである。

それが『方向性がある』結合。

集まった結果なのか予めそう結合すると決まっているのか

もちろん,イオン結晶の場合,「能天気に集まろうぜ~」なんて言ってても限界半径比の関係上それ以上はあつまれねぇわ。っていう状況がくる。

なので結果的には最密構造をとるかと言われれば,そうでもないのだが,とにかく方向性のない結合のプロセスは,

とりあえず集まろうぜ!→限界がきた→この構造を取ろう

であるのに対し,

水素結合や共有結合の場合は,

「この方向で結合するのが一番強固な結合を形成できるのだ」という条件の下で,『その方向で結合しようとする』わけだ。そして,『その方向で結合する』わけ。

これが方向性のある結合とない結合の違い。

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ABOUTこの記事をかいた人

ニシジマ

ゆとり世代ど真ん中に爆誕。円周率は3だと信じて疑わない。大学卒業後,予備校で勤務しており,化学を担当。主な業務は,模擬試験作成と入試解説の執筆。大学時代の専攻は物理化学であるが,難解すぎて意味があまりわからない。