もくじ
電子殻って何?まるっと解説
電子殻とは?

電子殻っていうのは、『電子の通る道』のことだよ!電子は原子核の周りをグルグル回ってる。その道筋を電子殻って言うんだよ。ちなみに原子核の周りを殻のように覆っているから電子『殻(かく)』だよ!
電子殻って色々種類があるみたいですね!内側から,K殻,L殻,M殻か…。どうして一番内側の電子殻は『K』殻なんですか?いきなりKって…。
実は,初めて一番内側の電子殻を発見した人が「もしかしたら今後,更に内側に電子殻が見つかるかもしれない。アルファベットの真ん中くらいのKにしておかないと…。」となったんだよ。Aにしちゃうとそれ以上内側に名前がつけられなくなっちゃうからね。
K殻か…。『計画』的な命名ですね。
黙ろう^^
電子殻には種類がある。内側からK殻,L殻,M殻と名付けられている。
ニシジマ化学語録
電子殻に収容される電子数を見ていこう

各電子殻(K殻,L殻,M殻…)には収容できる電子の数が決まっている。
収容できる電子って?
収容できる電子っていうのは,例えばK殻に存在していられる電子の数のことだよ。例えば,K殻とL殻だと,K殻の方が小さい電子殻だよね。
そうですね。小さい電子殻はK殻です。
そう。電子殻は『電子(人)が入れる部屋』,電子は『人』だと思えばいいよ!狭い部屋には狭い人数しか入れない。
なるほど…。K殻にはいくつの電子が入ることができるんですか?
K殻には最大で2つの電子しか入れない。L殻は最大で8つの電子しか入れない。M殻は最大で18つの電子しか入れない。
2,8,18…。さては,2n²ですね!!!
その通り!
K殻(1番目の殻)には2×1²=2 つ
L殻(2番目の殻)には2×2²=8 つ
M殻(3番目の殻)には2×3²=18 つ
のように最大で収容できる電子の数が決まってる!
なるほど…!電子が3つのリチウムLi原子はどんな風に電子が収容されているのかな…。えぇっと…。
資料集にはK殻に2個,L殻に1個って書いてあるよ!どうして内側の電子殻から順番に入るんだろう?
今からそれを解説していくよん!君たちは向学心の塊だね!私は学生の頃はずっとゲームボーイアドバンスを……反面教師にしなさい。
n番目の電子殻の最大収容電子数は2n²である。
ニシジマ化学語録
どうして内側の電子殻から電子は入るのだろうか

どうして内側の電子殻から電子が入るかを考える前にここで1つ質問をしてみたい。+の電荷を帯びた粒子と−の電荷を帯びた粒子は引き合う?退けあう?
ん〜。多分引き合いそう…。磁石も異なる極同士S極とN極で引き合うから…そんな気がする。
正解!+の電荷を帯びた粒子は−の電荷を帯びた粒子と引き合うんだな。異なる符号の電荷を帯びた粒子は互いに引き合うようになってる。
なるほど…。でもそれがどうして内側の電子殻から入ることと関係しているんや!ニシジマさんよぉ〜?
それはやな。原子核って陽子(+の粒子)がたくさん詰まってる場所やろ。その原子核に電子はできるだけ近づきたいんや。するとどうなる?
内側の電子殻から電子が入るっ!!!!駅近物件(原子核から近い)に電子さんも入りたいもんね!
電子は内側の電子殻から順番に満たされていく。M殻の最大収容電子数は18であるが,M殻は8つの電子が満たされると次はN殻に充填されていく。
ニシジマ化学語録
M殻は8つの電子が充填されると次はN殻に充填される

ということで,内側の電子殻から順番に電子は充填されるんや。せやけど世の中には例外っちゅうもんが存在する。わかるか?上田?
何でいきなり大阪弁なん?いつも標準語やん?
わからん笑 文字打ってるのが疲れてきたんや。たまにはふざけたいやろ。ふざけてる最中や。ふざけてるもなかや。モナカアイス。
で何が例外なん?例外教えてケロ〜〜〜〜。
例外は,M殻の充填(電子が入ること)の仕方や。M殻に8つの電子が充填されるとその次はM殻に充填されずにN殻に入りよんねん。
ほんまや…。カリウムK原子見てみ!上田。ほらっ,電子の収容の仕方がK²L⁸M⁸N¹になっとるがな!!!えらいこっちゃ!!!
せやろ。ここが例外なんや。M殻は8個充填された時点で結構『ええ感じ(準安定)』なんや。だから,この『ええ感じ』を崩さんようにN殻に次は入る。
ほぇ〜。
この後もちょいちょい例外は出てくる。大事なところで言うとスカンジウムSc原子な。こいつの電子配置はK²L⁸M⁹N²や。N殻に2個電子が充填されたら次はまたM殻に充填されるんや。こういう例外もあることを押さえておけたらもうバッチリやで!チッチキチーやでしかし。
各原子の電子配置(周期表を見ながら確認)
- 原子番号10 ネオンNe K²L⁸
- 原子番号18 アルゴンAr K²L⁸M⁸
- 原子番号19 カリウムK K²L⁸M⁸N¹
- 原子番号20 カルシウムCa K²L⁸M⁸N²
- 原子番号21 スカンジウムSc K²L⁸M⁹N²
(ちなみに最外殻電子が最大収容電子数になっている時のことを『閉殻』という。この『閉殻』構造を取っている原子は非常に安定で他の物質と反応しようとしない。)
上記の『ちなみに〜』の部分は,例えばヘリウムHeやネオンNeのことを表しています。あいつらは一番外の電子殻(最外殻)に収容されている電子の数が2n²のマックスなので,閉殻構造を取っています。そのため非常に安定で他の物質と反応しない『貴ガス』と呼ばれています。
アルゴンArも『貴ガス』の一種ですが,こいつは閉殻構造は取っていません。しかし,最外殻電子の数が8個という状態(=オクテットという)も安定な状態なので,アルゴンも他の物質とは反応しません。
スカンジウムSc原子はN殻に2個電子が入った後,M殻に9個目の電子が入る。これを『遷移』という。
ニシジマ語録
だから,スカンジウムSc以降の原子番号の元素を遷移元素って言うんだな。
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