シャルルの法則は空気を温めたら膨張するよねっていう法則!高校1年生に向けて丁寧に解説する

理想気体の法則であるシャルルの法則

理想気体とは

シャルルの法則は『理想気体』において成り立つ法則。なので,まずは,理想気体は何か?というところから話をしていくよ。

実在気体(実際に世の中に存在する気体)は本来,

気体分子の粒子自身に体積があります。

気体分子の粒子間同士で分子間力(分子と分子が互いに引き合う力)が働いています。

しかし,気体の粒子自身に体積があったり,気体の粒子間で分子間力が働いていると,様々な計算をする時に非常に面倒な計算式になってしまいます。

例えば,物が100 m落下した時の速度を求めるときに,『空気抵抗』を考慮したりすると,めちゃくちゃ計算が大変になります。

そこで,「空気抵抗は無視して計算して概算してみよう。」となるわけです。

これと同じように,『分子自身の体積』や『分子間力』を無視して概算しようというときに用いられるのが,『理想気体』です。

理想気体とは,実在気体だと計算が面倒だから,ざっくりと簡単に計算することができるように考えられた空想上の気体のこと。具体的には,
分子自身の体積が0
分子間力が0
の気体を『理想気体』といいます。

ボイル・シャルルの法則で扱う3つの値

ボイル・シャルルの法則では,『圧力』『体積』『温度』の3つの値を扱うことになります。

とは言っても,圧力って何?体積って何の体積?

となりますよね。そう言った方向けに,1から丁寧に,『ボイル・シャルルの法則における圧力・体積・温度』について解説した記事がありますので,こちらを是非チェックしてみてください!

シャルルの法則とは

ちょうど日本が江戸時代の真っ只中。それも鎖国をして,海外との国交を封じていた頃。ちょうどフランスでは,シャルルという人物が化学実験に勤しんでいました。

そんなシャルルが見つけた法則。

それが,

シャルルの法則

です。シャルルの法則をじっくり1から解説していきましょう!

シャルルの法則を小学生にもわかるように言うと,

空気って温めると膨張するよね。

っていう法則です。

えっ?それだけ?と思うかもしれませんが,もちろんこれで終わらないのが高校化学です。数式が少し入ってきますが,簡単なので,ついてきてくださいね!

シャルルの法則は,一定圧力条件下において,

V/Tkkは一定)

と表される法則です。細かく解説していきます。

シャルルが気づいた法則は下記のような実験です。あなたも下の文章を読んで,シャルルと同じ体験をしてみてください!

あなたは真冬の実験室にいます。実験室の温度はなんと0 ℃。極寒です。

そんな極寒0 ℃の実験室で,ピストン付きの容器の中に1Lの空気を閉じ込めました。そして,そのまま放置していると,少しだけ気温が高くなり,1℃になりました。

気温が0 ℃から1 ℃に温度上昇したことで,ピストン付きの容器の中の空気は少しだけ膨張します。

容器の中の空気は1/273倍だけ膨張し,1+1×1/273=274/273〔L〕になっていました。

図挿入

なるほど。ほんの少しだけ気温が上がったから,容器内に閉じ込めていた空気も少しだけ膨張したってわけね。その膨張する割合が,1℃につき,1/273倍ずつ膨張するのね!

その通り,正確にはシャルルの法則とは,以下の通りだ。

表挿入1 1+1/273・・・

シャルルの法則

一定圧力条件下(=例えば,地球で実験を行うとする)で一定量の気体の体積は,温度が1℃上昇すると,体積は,0 ℃のときの1/273 倍膨張する。

この事実に基づいて下の文章について考えてみよう。

地球上(=大気圧1.013×105〔Pa〕条件下),気温は0 ℃条件下で実験を行った。風船を用意し,風船の中に10 Lの気体を封じ込めた。その後,気温は4 ℃に変化し,風船は少しだけ膨張した。風船内の気体の体積は10 Lから何 Lに変化したか?

シャルルの法則とは,温度が1℃上昇すると,”0 ℃の時”の気体の体積の1/273 倍膨れ上がる法則だった。

0 ℃から4 ℃に気温が4 ℃上昇したことから,気体の体積は,0 ℃の時の4/273倍膨れ上がったと言える。

よって,10×(1+4/273)=2770/273〔L〕(≒10.15〔L〕)

少しだけ膨張していることがわかる。

なるほどねぇ〜。逆に0 ℃からどんどん冷やしていったらどうなるのだろう?例えば,−1 ℃にしたら,0 ℃のときの体積より,1/273倍だけ『縮む』ってことだよね?

その通り。つまり,−273 ℃になったとき,気体の体積は0になるんだ!!!
これってすごいよね?

えっ?−273 ℃になっちゃったら,地球上の空気の体積は0になっちゃうの?

そういうことだね。もちろん,シャルルの法則は『理想気体』でしか成り立たないから,実在気体である地球上の空気を−273 ℃にしても体積は0にはならないけどね。

−273 ℃にすると,理想気体の体積は0になる。これ以上気体の体積は縮まりようがないのだ。(∵気体の体積が『−(マイナス)』の値を取るわけがない。)

これ以上低い温度は世の中に存在しないという『−273 ℃』のことを絶対零度と言うよ!

今までの話を数式にすると,以下の通りになる。数式は一見ややこしく見えるけど,理解を促すためにはめちゃくちゃ大事なので,是非理解しよう!!

0 ℃のときの気体の体積をV₀〔L〕,t〔℃〕のときの体積をV〔L〕とすると,VV₀の関係は次のように表される。

VV₀+V₀×t/273=V₀(273+t/273)=V₀(T/273) ……①

T:絶対温度〔K〕,t:セルシウス温度〔℃〕)

式①をグラフ化すると,下のグラフになる。

グラフ挿入

式①より,

VV₀(T/273)=VV₀/273×Tより,『V₀/273』の部分をTの係数kとみなすと,

VkT(シャルルの法則)となる。

圧力が一定であるという条件下では,気体の体積は温度に比例するという法則だ。

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ABOUTこの記事をかいた人

ニシジマ

ゆとり世代ど真ん中に爆誕。円周率は3だと信じて疑わない。大学卒業後,予備校で勤務しており,化学を担当。主な業務は,模擬試験作成と入試解説の執筆。大学時代の専攻は物理化学であるが,難解すぎて意味があまりわからない。