酸解離定数で水の濃度を無視する理由を簡単に図を用いて解説!平衡定数には含む理由とは?

水の濃度[H2O]はなぜ消えるのか?

酸解離定数と平衡定数

ブログのタイトルに『水の濃度を『無視』する理由』と書きましたが,無視するわけではありません。

どうして『無視する理由』と書いたのかを最初に説明しておくと,

単に,検索するときにみんな『水 無視 平衡』とかって調べると思ったからです笑

アクセスが増えないとお金にならないんですよ…。という裏事情はさておき。

どうして,水の濃度[H2O]は消えるのか?(正確には左辺に吸収されるんです。)というと,

水溶液中の水の物質量はめちゃくちゃ多いので,反応でちょこっと使われたくらいの水の物質量なんて無視ができる。よって,反応前と反応後の水のモル濃度は『一定』とみなせるので,平衡定数に組み込んでしまおう。という考えなのです。

参考書などによくある説明

この説明はよくなされますが,わからない人にはわかりづらい説明だと思うので,今回は図を用いて説明していきます。

まずは,平衡定数と酸解離定数が何なのか?についておさらいです。

平衡定数

酢酸1 molを水に加えて,酢酸水溶液1Lを調製します。

この水溶液には,酢酸CH3COOH,酢酸イオンCH3COO-,水素イオンH+,水H2Oが含まれています。

水に溶かした酢酸が電離する様子を式で表すとこんな感じ。

CH3COOH+H2O ⇄ CH3COO-+H3O+

よって,平衡定数Kは次のように表されます。

K=…を挿入

酸解離定数

先ほどと同様に,酢酸1 molを水に加えて,酢酸水溶液1 Lを調製します。

酸解離定数Kaは次のように表されます。

Ka=…を挿入

よく教科書などでは,水の濃度が非常に大きいので,電離で消費される水の物質量は非常に小さいので,水の濃度は反応前と反応後は一定とみなせる。したがって,酸解離定数Kaは,平衡定数Kに[H2O]を組み込み,次のように表される。

Ka=K[H2O]=[CH3COO-][H3O+]/[CH3COOH]

さて,ここの文章を細かく図を用いて考えていきましょう。

0.01 mol/L酢酸水溶液 1 Lには,酢酸は何〔g〕含まれているだろうか?

図より,0.01 molの酢酸が含まれている=0.01×60=0.60〔g〕の酢酸が含まれている。

1L中に0.60 gだけ酢酸分子CH3COOHが溶けている水溶液ということになる。

つまり!!!

ほぼ水と言って差支えがない。

ほぼ水なので,この水溶液の密度を1 g/cm3であると仮定すると,(1000-0.6=999.4〔g〕は水,0.6 gは酢酸分子という水溶液になる。)

酢酸分子が水溶液中で電離する前の水のモル濃度は,

999.4/18=55.52〔mol/L〕……①

酢酸分子は水溶液中で電離して次の反応を起こす。

CH3COOH+H2O→CH3COO-+H3O+

確かにCH3COOHが電離することで,水溶液中の水分子は消費されている。

電離度α=0.05だとすると,各物質の物質量は次のようになる。

酢酸分子が水溶液中で電離した後の水のモル濃度は,

55.52-0.01×0.05≒55.52〔mol/L〕……②

となる。

つまり,酢酸の電離によって0.01×0.05〔mol〕消費されたが,たかだか0.0005〔mol〕など,55.52 molに比べれば鼻くそみたいなものだということだ。

弱酸の電離は鼻くそなのね。メモっておこうっと!!!

ということで,式①②より,水のモル濃度は,反応前も反応後も変わらず55.52 mol/Lとなるわけだ。弱酸の電離において,水のモル濃度はいつでも一定の値を取るならば,[H2O]は,平衡定数に組み込んでしまってもよいじゃないか!

というのが[H2O]を書かない理屈だ。

よって,

Ka=K[H2O]=55.52×K=[CH3COO-][H3O+]/[CH3COOH]

となる。

弱酸の電離において,水の濃度[H2O]は反応前も反応後もほぼ同じ値をとる。そのため,弱酸において,『定数』である[H2O]は,平衡『定数』に組み込んで考えて差支えないよね。という話だ。

ちなみに,純水中の水のモル濃度は,1000/18≒55.6 mol/Lと求めればよい。要するに,1 Lの純水は1000 gの純水なので,1000 gの純水中には分子量18の水分子は55.6 mol存在するよね。という話だ。

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ABOUTこの記事をかいた人

ニシジマ

ゆとり世代ど真ん中に爆誕。円周率は3だと信じて疑わない。大学卒業後,予備校で勤務しており,化学を担当。主な業務は,模擬試験作成と入試解説の執筆。大学時代の専攻は物理化学であるが,難解すぎて意味があまりわからない。